幸魂奇魂~さきみたまくしみたま~

2025.07.01

磨墨ライカ先生

磨墨ライカ先生

先日、37年ぶりに出雲大社に詣でてきました。
37年前に訪れたときは12月も終わろうというころでしたので、雪が積もっていましたが、今回は、こんもりと繁茂した緑の木々を見ることができました。

【八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を】

天に向かって繁っている木々を見て、すぐにこの歌を思い出しました。これは、須佐之男命が櫛名田比売を娶ったときに詠んだ歌です。
「出雲大社を取り巻く緑の木々は、なるほど見事な八重垣だな」と思いました(歌のほうは雲を指していますけれど)。

さて、表題の幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)ですが、大国主命が両手を広げて黄金の魂を迎え入れようとする姿が圧巻だったので、「さすが神様(国津神)!」と、つい口に出してしまいそうになりました。

「およそ人が人であるということは、幸魂奇魂という【ムスビのみたま】を我が身にいただいて霊止、すなわち人として生かされているからです」。

大国主命像のそばにある案内板に、このように書かれていました。私という人間の中にも【ムスビのみたま】があるのだと思うと、不思議な気持ちになりました。もちろんご相談者さまの中にも、同様に【ムスビのみたま】があるわけです。

【ムスビのみたま】もさることながら、「人はどこから来て、どこへ向かうのか?」。
相変わらず日々、このようなことを考えています。

■幸魂 (さきみたま)とは?
人々に幸福をもたらす霊魂の働き。
■奇魂 (くしみたま)とは?
不思議な力で万事を成就させる霊魂の働き。

今回、本殿ではなく、隅のほうに、ひっそりと建てられた「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」の小さなお社で、空気が渦を巻くように、ゆらゆらと動くのを見ました。もしかしたら、「よく来たね」と言ってくださったのでしょうか?
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